忘年会
息子の会社は、従業員は100人に満たない
会社で、正社員と契約・派遣社員が半々程だったと思う。
息子が就職した年は 大卒の子と 二人入社だった。
仕事に慣れるまで、当たり前だが、ほんとによく頑張ってた。
まず、一日中立ちっぱなしに慣れなくてはならないし、軽く40度越す環境にも慣れないといけない。
肌の弱い息子は、皮膚科に通いながら
肌の痒さ、痛さとなんとか折合いつけて、一生懸命頑張ってた。
その年の忘年会で、全社員の投票による 最優秀社員に選ばれていた。新入社員が選ばれるのは滅多に無いことなんだそうだ。
息子は嬉しそうだった。珍しくはしゃいでた。
『凄いじゃん』
『頑張ったの、皆 見ててくれたんだよ』
実際、会社の皆からは、いろいろ 可愛がってもらってると感じてた。
飲みに連れていってもらったり(まだ未成年だったけど)
回らないお鮨に連れていってもらったり(家族で行くのはもちろん、回ってるやつ)
でも、勤務時間はもうめちゃくちゃだった。
日勤だったり、夜勤になったり……
そんなこんなで頑張ってたのに、次の年の秋ごろ、配置転換になった。
私は、普通の事だと思ってた。
社員だったら、いろんな仕事こなせるようにならなきゃだし、今の仕事は大分慣れてきてたようだし、ステップアップだろうな、と。
でも、息子は そんな風に 考えてなかった。
『死にたい… もう 死にたい』
2回目の忘年会から帰った夜、
息子は そう呟いて泣き崩れてしまった