長女(2)
次女が産まれた時、長女は1歳半。
赤ちゃんがえりを心配したけど、全然大丈夫だった。
《お兄ちゃんがいてくれたから》
その一言に、つきる。
何も言ってないのに、自分から 長女と一緒に遊んだり、絵本読んでくれたり、お散歩いってくれたり……(庭だけど)
息子も、長女も ニコニコ楽しそう。
微笑ましかったし、実際、とても助けられた。
幸せな、ほんとに幸せな時だったな……
いつも、いつも、仲良しだった。
6歳離れてるから、けんかもなかった。
だからなのか……
ショックの激しかった長女は、もう 学校どころではなかった。
心配しながら、次女が一人で登校する毎日。
私は仕事をやめた。
長女から、目を離せなかった。
正直に言えば、息子の所に逝きたい気持ちは、私の気持ちそのもの……
わかりすぎるぐらいに、わかる……
だけど、長女はまだ15歳、これから、これからなのに……
しかも、受験生。ちょうど願書をだす時期。
学校、教育委員会巻き込んで、なんとかかんとか、会う病院探して、受診して、少しだけど、お薬だしてもらって。
毎日いろんな話して。
眠れなくても、夜は一緒に横になった。
少しずつ、ほんとに少しずつ 戻ってきた。
担任の先生も ほとんど毎日のように家に寄ってくれた。
なんとか、卒業式にも出席出来た。
高校は、全日制はやめて、4年かかるが、定時制の午後からの部に入学になった。
まだ、カウンセリングに通っている。
導入剤もたまに飲んでる。
でも、お兄ちゃんの夢はあまり見なくなったみたいだ。
お兄ちゃん……
なんでこうなっちゃったんだろ……
なんで、お兄ちゃんを救えなかったんだろ……
あと 何年かして 向こうで会えたとき、お兄ちゃんは お母さんに笑いかけてくれるのかな……?