セロトニン
残業と夜勤を減らす為に移った2番目の部署。
最初は落ち着いていた様だが、やっぱり同じ結果になっていった。
ほとんど夜勤。土日も連勤。
『えっ、いつ休むの?』
『なんか、水曜か木曜に休んでいいって』
何回 こんな会話をしただろうか。
でも、息子は
もっと 大変な思いしている先輩いるし、
しょうがない、やるしかない、と頑張っていた。
『命より大事な仕事なんてない』
最近、ニュースで取り上げられている、
過労自殺で亡くなった娘さんのお母さんが
訴えていた。
その通り、本当にその通りだと 泣けてきた。
息子の残業時間は、ボーダーラインとされる
80時間より、少なかった。
けれど、夜勤労働者は、通常時間勤務者より、鬱になってしまう確率が、はるかに高い。
セロトニンという、精神を安定させるために必要な物質が、朝日をあびて行動するという事が出来ないために、足りなくなっていくのだそうだ。
そんなこと、知らなかった……
調べようとも、思わなかった……
どこまでいっても、無知で、愚かな母だった。
携帯、ググれば すぐ出てくるのにね……
お兄ちゃん、
なんて言って 謝ればいいのか、もう、それすらわからなくなっちゃったよ……
側にいきたいけど……
まだ 行けないよ……
まだまだ 行けないよ……
ごめんね……