息子の部屋
忌明けになってから、息子の部屋を少しずつ整理してみようか、と思い 取りかかったが、10分でやめた。
服、ガンブラ、モデルガン、小さい頃はまってた玩具、カードゲームのカード、お出掛けの時買った物、ドラクエのフィギュア、そして、オーダーメイドで作って貰って購入したパソコン、etc…
なかには、これいつの間に?というのもあったが、基本、大体覚えてる。
いちいち思い出して、泣けてきて、片付けにならなかった……。
でも、そのままというのは、生活感ありすぎて それも堪らなかった。
娘達に頼んで、一緒にやることにした。
ゲームソフトも有りすぎるし、ゲーム機もたくさんあるので、売ろうかな、捨てようかなとブツブツ言ってると、
『売らないよ。全部、お兄ちゃんの形見だから、売っちゃだめ』と。
服も、これはお気に入りだった。
これ、よく着てたよね……。
と、半分以上残すことに。
結局、捨てられないものがほとんど……
軽く整理してみただけ……
ベットカバーや毛布洗ってしまった私に
『お兄ちゃんのにおい、なくなっちゃう……』
と、抗議の視線が……
ハッとした。
なんで、洗ってしまったんだろう……
あの子のにおいが……
生きていた痕跡、存在感が無くなってしまう……
でも、その時はまだ かすかに残ってた。
今は、ほとんど わからない……
娘達は、自分の椅子に、それぞれ選んだ、息子のパーカー かけている。
私は息子の免許証を自分のケースに一緒に入れて毎日持ち歩いている。
少しでも、少しでも息子を感じていたいから……
お兄ちゃん、今日は風、凄く強いよ……。
娘達、車で送って行こうかな……。
『また送っていくの?
ったく、甘いな~』
って、またお母さんに小言言ってよ……
言いにきてよ……