名前
名前を間違えて呼んだ……
次女を息子の名前で呼んだしまった……
『あぁ、ごめんね
間違えちゃった……』
何やってんだか……
でも、久しぶりに呼んだ……
当然、返事はない。
キョトンとした次女が苦笑い………
久しぶりに名前を呼んで、返事はあるはずないが、もっと呼びたくなった。
こっそり息子の部屋にいって
ぼそぼそ名前を呼んだ……
いつも、『何や~』みたいな返事だった。
何かしてると、『ん~?』
ずっと、この部屋で
名前を呼んでたい……
でも、多分部屋には息子はいない…
息子が最期に選んだ場所はリビング。
いつもリビングにいた。
主人は単身赴任だったから、
息子と娘二人と、私、4人でいつも……。
部屋には寝るときだけ。
オンラインゲームにはまってた時は
部屋でパソコンやってたけど…。
もっと、
もっともっと呼びたい……
ずっと、
ずっとずっと呼び続けたい……
そしたら、いつか返事 返ってこないかな……
もっと呼び続けるはずだった……。
うるさいなぁと鬱陶しがられても
まだまだ一緒にいられると思ってた。
『家大好きだったから、まだ家にいるよ……』
こんな事を言われた。
でも、私には息子を感じることは出来ない…
それに、成仏出来てないのか、それも心配になる……
結局、家族にかくれて
名前を呼ぶしか出来ない……
お兄ちゃん、たまには 返事かえしてよ
何や~?って……