息子と過ごした大切な日々

2015年12月17日、21歳の息子が自死。
まだ信じられない、信じたくない愚かな母の懺悔の日々。

『俺 その気になれば 青酸カリ手に入れる事出来るんだけど』

明るく、ごく自然に 息子が、突然にそう言った時があった。


メッキ加工の工程で使うそうで、会社にあると 息子が話していたが、私は何を言ってるのか よく理解していなかった。


ある、と言うなら あるんだろうけど、そんな劇物は きちんと管理されてて、

もし使うことがあったとしても、責任者から使用する分だけ その都度もらっているのだと、勝手にそう思ってた。


まさか、息子が その管理する側だったなんて思ってもいなかった……


月命日の焼香に来てくれた社長さんに

どうして、息子が手に入れることが出来たのか、聞いてみた。


《夜勤の時は、息子が、鍵を管理していた》


愕然とした。

えっ、なんで?

何の資格もないのに?

なんで?


理解出来なかった。


どうして、詳しく、しつこく、息子に聞かなかったのか!?


どんな状況下で仕事してるのか、わかってるつもりに なってた。


グルグル グルグル考えてしまう……


どうすれば良かったのか……

どうすれば、息子を喪わずにすんだのか?


息子が、恥ずかしいと言っても、なりふり構わず、動いてれば良かった……


会社に不信感を感じてしまって、主人に話したら


『でも、会社の備品を盗んだんだよ。

窃盗なんだよ。会社から訴えられても仕方ないんだよ。』

と、返された。


その通り、確かに その通りなんだけど……


感情の持って行き場が なくなってしまった。


お兄ちゃん、泥棒させてしまって

ごめんなさい…

ほんとにごめんなさい……

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