息子と過ごした大切な日々

2015年12月17日、21歳の息子が自死。
まだ信じられない、信じたくない愚かな母の懺悔の日々。

何故?

今回の月命日には、5人の方が焼香しにきてくれた。


多分、同僚の方がきてくれるのは今回で最後なのだろう。


10回目の月命日の時、一周忌の事を聞かれて

『家族でやります。親戚も遠いし、あまりいませんから』と答えていた。


で、次の 一周忌の前日に社長さんが来たい、ということだった。


普通、こんなにずっと月命日に拝みにきてくれるのだろうか?


多分、息子の事に、なにかしら責任を感じているからなのかな…

それとも、私が騒いで、過労自殺で訴えられたら大変!とか思ってるのかな…


もうひねくれた考え方しか出来ない。


だけど、同僚の方から、 職場での息子の様子を教えてもらうのは、とても新鮮で、嬉しく、楽しかった。


一緒に 笑いながら、泣きながら聞いていた。


どうして、ほんとにどうして……こんな事になってしまったのか!


家族も、会社の方でも、思うことは同じ……


ひどく落ち込んで…泣きすぎて目も腫れて…

でも、12時からシフト入っていたので出勤して……


なんとか終わって帰宅するとき……


なんと、駐車場で車ぶつけてしまって……(街灯に)


あぁ、厄日……


お兄ちゃん、お母さんのうっかりは直らないのかな……


お兄ちゃんいたら、笑われてたよね…


困った母さんだな、って……


お兄ちゃんと会いたい、そして、会話したい……

11回目

明日で11回目の月命日だ。


月命日には、ずっと 息子の会社の方が お焼香に来てくれている。


息子の私物の受け取りと、就職してから今まで、お世話になったお礼をしに 会社に伺った時、暫くの間、伺わせて下さいと、お願いされた。


正直、?だった。何故?

やっぱり、会社も 責任を感じているから?


詳しく聞いてみたかったが、その時は長女もいたので、やめておいた。


長女は、どうしても兄の働いていた職場を見てみたい、ときかないので、学校を早退させて、連れてきていた。

(次女は、行きたくない。お兄ちゃんを苦しめた会社には絶対行かないと言い張っていた。)


2回程は、来てくれた社長さんを責めてしまった。

お世話にはなったし、会社の人達には、よくしてもらったとは 思っていたが、

シフトに関しては、黙ってはいられなかったから…。


『取り返しのつかない事になってしまって、

申し訳ありません。』

『出向の話も、私がきちんと説明するべきでした。』


いや、誰から話されても、絶望感しかなかっただろうな……


息子は少し、対人恐怖症的な所があったと思う。物凄く人の目を気にしてたし…。

でも、会社では、明るく元気だったそうだ。

物凄く、頑張ってたんだと思った。

慣れた部署から移って、やっとの思いで移った部署に慣れてきたと思ったところに出向の話。もう無理だったんだろうな……。


お兄ちゃん、

家族だけじゃなく、会社のひと達も 悲しんでるよ…


命より大切な仕事なんて、ないんだよ……


お兄ちゃん、明日は曜日も同じ月命日。


溜め息と涙しか、出ないよ……

遺影

息子の突然の死は、私達家族に 深い、深い悲しみと、混乱を与えた。


が、突然だろうが何だろうが、最後の別れの為には、

やらなくてはならないこと、

決めなくてはならないことが、沢山あった。


『遺影の御写真は、いかがなさいますか?』


葬儀社のほうから、聞かれた時、

《あっ、写真なんてない。就職してからさっぱり撮ってない》と、あせった。


うちで、一番困ったのが、遺影の写真だった。


子供の頃は、凄い量の写真を撮っていたが、大きくなってからは 写真嫌いで

撮らせてくれなかった。

ほんとに、ない…。


『成人式の御写真は?』と聞かれたが

成人式も、仕事だった。


一生に一度の事なのに、あんまりじゃないかと、

どうして休みじゃないのか、私が怒っていると、

出れば出たで、式のレポートとか報告とかあるから、めんどくさい。

だから、仕事出るって返事した。と返ってきた。


物凄く残念だったが、もう息子は決めていて、友達にも、仕事だと伝えていたようだった。


写真を散々さがしたが、一枚もなかったので、免許証の写真をスーツに加工してもらうことに決めた。


夜勤明けで、免許更新に行き、目の下に うっすらとクマがあり、真面目な顔をして写ってる息子。

亡くなる2ヶ月位前に更新した免許証だ。


笑顔こそないが、とても息子らしい、と思った。


今は、仏壇の横の壁に 飾ってる。


毎日、手でなでて、ほこりを取っている。

なででいると、いつも涙が出てしまう。


話し掛けても、答えてくれない……

でも、やっぱり 毎日、話し掛けてる。


お兄ちゃん、会いたいよ……

今、何してるのかな?


夢でもいいから、会いに来てよ…

会いたい…


会いたい…